猫が手術を受けたり皮膚病を患ったり外傷を負ったとき、その箇所をなめたり、ひっかいたりして傷口が悪化することがあります。
それを防ぐためにエリザベスカラー、エリザベスウェアというものがあります。
それぞれ同じエリザベスと冠していますが、形状や使い勝手、猫のストレスが変わってきます。
今回は各アイテムを比較しながら説明します。
グルーミング・ひっかきから手術跡・皮膚を守る
エリザベスカラーの説明に入る前にグルーミングについて説明します。
猫にとってグルーミングは欠かせない行為です。
被毛をなめて清潔にする、舌のざらざら(糸状乳頭)で皮膚を刺激して血流を促進させる、気化熱で体温を下げる、といった効果があります。
また物音にびっくりしたり、高いところから落ちた時もグルーミングします。これは転位行動と言われていて、自分を落ち着かせるために行うものです。
そんなグルーミングですが、傷や皮膚炎などがあると気になって入念にグルーミングします。
しかし、手術後の傷跡や皮膚炎などの患部を舐めてしまうと感染症の原因となったり、舐めすぎて毛がたくさん抜けてしまうこともあります。
またグルーミング以外にも、かゆくてひっかいたりして傷になってしまうこともあります。
我が家の猫はアレルギー持ちで、よく耳のあたりをかいてますが、かきすぎて血が出ることがたまにあります。
そういったことを防ぐためにエリザベスカラー、エリザベスウェアを着用します。
エリザベスカラー
エリザベスカラーとは円錐型の筒の形をしたものを首に巻き付けるもので、体を舐めることができないようにする器具のことです。
エリザベスカラーは英国王女エリザベス1世の治世に衣服に用いられた壁襟に似ていることからその名前がつきました。

エリザベスカラーでテンション下がる猫。。。
エリザベスカラーは猫にとって結構なストレスとなります。
写真から見て分かる通りサイズが大きいので猫が好きな狭いところに入れませんし、高いところに飛び乗る行動にも制限がかかります。
狭いところを通ろうとしてガツンとぶつかるところを見るといたたまれない気持ちになります。
ちなみに写真のエリザベスカラーは40gでした。
猫の体重4kgに対して1%分の重さがあります。
体重60kgの人間に単純計算で置き換えてみると600g、ペットボトル1本分相当です。
それが終始首にかかっているので猫にとっては重く感じるかもしれません。
写真のような透明なプラスチック製の他にクッション性の浮き輪型のものもあります。
花や果物の形をしたファニーなものが多いです。
やわらかい素材であれば壁や机にぶつかったときの衝撃は和らぐので少し安心です。
ただし素材や形状によっては重量がさらに重くなる点や、汚れたときのお手入れが大変になる点はご注意ください。
軽くて柔らかいエリザベスカラー(2020/9/22追記)
前述の通り、我が家の猫は定期的にアレルギー症状で頭を書いては血を出しています。。。
そのたびにエリザベスカラーを付けていたのですが、椅子や壁にガツンとあたっている様子がいたたまれず、やわらかい素材のエリザベスカラーを購入しました。
軽くて透明で柔らかい素材です。撥水加工なので汚れも取りやすいです。
前のカラーが40gに対して、このカラーは30gと30%程度軽くなりました。
実際に装着してみたところ、ガツンとぶつかることもなくなり、こちらを装着しているときのほうが動きが活発な気がします。

実際に装着した図。色はネイビー。
エリザベスウェア
エリザベスウェアという猫用の服があります。
こちらはエリザベスカラーによる猫のストレスを軽減するために開発された保護服です。
傷口や患部を覆ってしまうことにより、グルーミングのできる環境を作ることができます。
獣医師監修の元で開発されたものもあり、通気性なども考えられています。
エリザベスカラーと異なり、邪魔な障害物が無いので普通に移動できますし、これなら顔掃除も出来ます。
着用したまま排泄もできる作りになっています。
我が家の猫はアレルギー症状が首周りに出て、舐めすぎて毛がぬけたり、ひっかき過ぎて血が出ることがあるので、その際にはエリザベスウェアを装着しています。
帽子
頭を守るため術後服として「猫の帽子」という商品があります。
我が家の猫はアレルギー症状が顔周りに出ることが多く、出血してしまうほどひっかいてしまうことが多いのでエリザベスカラーの装着が必要となってしまいます。
顔周りはエリザベスウェアでは保護できないからなぁ…頭まで覆うことができればいいのに…
そう思い患部を保護できる帽子などを探していたのですが、ネットで検索しても出てくるのは見た目重視のかわいい帽子ばかりでした。
しばらく探し続けてようやく発見したのがこちらの保護キャップです。
エリザベスウェアも製造しているメーカーが開発したものということで、早速購入しました。
耳裏は保護できないのですが、目の上などよくひっかいてしまう部分を覆うことができました。
しかし、我が家の猫はすぐに外してしまうため残念ながら機能していません(´-ω-`)
帽子が平気な猫ちゃんにはオススメです。
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