人間にもアレルギーがあるように、猫にもアレルギーがあります。
それは食べ物だったり、花粉だったり、ダニだったり、要因は様々です。
人間でも何が要因か分からず困ることがあるのに、猫は体調不良をあまり全面に出さないので、余計に大変です。
もし飼っている猫ちゃんが痒がったり、目やに、くしゃみ、鼻水などが気になるときは、アレルギー反応の可能性があります。
ここでは猫のアレルギーについて説明します。
猫とアレルギー
前述したように猫も人と同じようにアレルギー症状を起こすことがあります。
猫のアレルギー症状は主にかゆみがみられます。
特に顔周りやお腹など、皮膚の薄い部分に表れることが多いです。
他にもくしゃみや鼻水など様々な症状があらわれることもあります。
アレルギー反応とは、普通は無害な物質に対して、体が過剰に免疫反応を起こしてしまうことを言います。
このアレルギー反応を引き起こす物質をアレルゲンと呼びます。
食物・花粉・カビ・ダニ・昆虫など様々な物質がアレルゲンとなりえます。
アレルギー反応は天候や居住環境、食生活、衛生状態、ストレスなどにより症状が悪化することもあります。
アレルギーの検査
アレルギーを持つ動物は、アレルゲンに対して抗体を産生します。
アレルギーの血液検査では、この抗体の量を検査し、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)を特定します。
しかし抗体の量が多い=アレルギー反応を引き起こす、と言い切れないところもあり、数値的に高くても無症状となる場合もあります。
アレルギー検査は、血液検査の他にスキンテスト(皮内にアレルゲンを少量注入し、反応を確認)もあります。
アレルギーの治療体験記
症状の発生
我が家の猫は生後6ヶ月頃から目の上や耳の後ろをしきりにかゆがるようになりました。
耳ダニを治療し、耳垢等はなく耳の中はキレイでしたが、出血するほどひっかいてしまうため、動物病院を受診しました。
受診したのが6月だったのですが、猫には夏場に季節性のアレルギーとしてかゆみが起こることがあり、その症状ではないかとの説明を受けました。
動物病院では傷を消毒してもらい、かゆみ止めの塗り薬を処方していただきました。
この薬はビクタスクリームという弱めのステロイド薬でした。
ステロイド薬については賛否ありますが、獣医さんはそこも考慮して弱めの薬を処方して頂きました。
エリザベスカラーとは、手術や皮膚病などの外傷箇所を舐めて悪化させないための防護具で、円錐状のカバーで首の周りをガードします。

エリザベスカラーでテンション下がる猫。。。
エリザベスカラーの装着は猫にとって非常にストレスになるため、側で一緒に過ごす間はひっかかないよう監視したうえでカラーを外してもよいとのことだったのですが、少しでも目を離すとすぐに出血するほどひっかいてしまうため、基本的には常にカラーを装着して過ごしました。
傷が治るまで塗り薬を塗布すると一旦は症状が落ち着くのですが、数日経つとまたしきりにかゆがることが繰り返されました。
かゆそうな素振りを見せると、傷にならないように私の手で代わりに掻いてあげていたのですが、それでも目を離すとすぐ出血するほどひっかいていることが多かったです。
そんな状態がひと月ほど続いたため、再度動物病院を受診することにしました。
症状を伝えると、引き続き塗り薬を処方し経過観察していくが、それでもかゆみが収まらなければ季節性ではなく何かのアレルギー性皮膚炎かアトピー性皮膚炎が疑われるとの説明を受けました。
原因を突きとめるためにはアレルギー検査が必要となるため、検討をしておいてほしいとのことでした。
その後も前回同様に症状が落ち着いてはかゆみが出ることを繰り返したままさらにひと月が経過したため、アレルギー検査を受けることを決めました。
アレルギー検査と費用
動物病院にてアレルギー検査を希望する旨を伝え、検査や今後の治療に関する説明を受けました。
検査方法は血液採取であること、通常の血液検査より多い量の採血が必要であること、血液は海外の検査機関に委託するため結果が出るまでにひと月ほどかかること、などなど。
今後の治療方針は、検査にてアレルゲンが特定された場合はアレルゲンを除去し経過を観察し、それでも症状の改善がみられなければアトピーの治療に切り替えていく、という一つずつ可能性を潰していく流れで診断するとのことでした。
この日の処置は注射でシリンジ2本分の血液を採取して終了です。
検査費用は20,000円でした。
なおアレルギー検査は保険適用可能です。
検査結果:アレルギー項目と推奨キャットフード
検査結果は約3週間で届きました。
結果として複数のアレルゲンが特定され、特に多く陽性を示した食物のアレルゲン除去を始めることになりました。
陽性反応を示した主な項目は下記の通りです。
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大麦
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ビール酵母
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アヒル/カモ
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米
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ジャガイモ
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玄米
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カツオ
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サバ
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アジ
ちなみにですが、下記の画像のような診断結果をもらいます。
陽性反応を示した項目には「P」と記載されています。
猫イコール魚食べる、という概念が崩れ去りました。鰹節を入れた猫まんまもNGとは。。。
検査結果と併せて推奨フードの一覧があり、その中から動物病院にサンプルがあるものをいただき給餌しました。
こちらがその推奨フード一覧です。
獣医さんはサンプルの中から一番食いつきがよいものを与えてあげてください、とおっしゃったのですが、どのフードも食いつきよく食べていました^^;
サンプルでいただいたフードはペットショップで購入するか、動物病院経由の取り寄せで入手できます。
大体どこのペットショップでも取り扱いがあると聞いていたのですが、私の家の近くのペットショップでは扱っているところは1軒しかなく、それも1種類しか取り扱っていませんでした。
取り扱っていたのは、ロイヤルカナンの満腹感サポート ドライというフードです。
このフードは減量を必要とする猫向けのものではありますが、アレルギー陽性反応が出た品目は含まれていません。
フードを変えると症状は大分落ち着いてはきたのですが、まだたまにかゆそうな素振りをすることがありました。
フードを再検討し、ロイヤルカナンのアミノペプチド フォーミュラ ドライを動物病院経由で取り寄せることにしました。
このフードは食物アレルギーによる皮膚疾患用の療法食です。
こちらのフードに変えるとかゆそうな素振りもなくなり、それ以来同じものを給餌しています。
また、うちの猫は花粉などにも陽性を示しているため、花粉の時期には窓を閉め切り、換気の際には別の部屋に移して換気するなど生活面でもアレルゲンから遠ざけるようにしています。
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